Staffスタッフ

両店を行き来しているスタッフがおりますので、お問い合わせください。

山岸光子
ディレクター スタイリスト

山岸光子

Profile
経験豊富な頼りがいがありますが、話すと永遠の少女といった可愛い雰囲気になる、一緒にいるだけで楽しくなる人です。

【美容師になったキッカケ】

小学生の頃は床屋さんに行っていたのですが、確か2〜3年生ぐらいの時に、耳を切られてしまったことがありました。その時、すごく雑に扱われた印象があって、もうそれで床屋が嫌になって、母と一緒に美容室に行ったら、初めて体験した美容室という空間が別世界という感じでした。

元々、美容師が仕事をしている姿を見ているのが好きだったのですが、ずっと見続けていたせいか、美容師さんが「この子は見る目がある、素質があるから美容師に向いているんじゃない?」と言われて、その話を聞いた母がとても喜んだのです。

私は5人兄弟で、5人のうち4人が女性で、私は上から4番目なので、いつも放って置かれていたイメージだったのが、母の喜んだ顔を見た時に、「母から期待された!母を喜ばせることができる!」と思ったことが、今も忘れられません。

それから、母が美容室に行くときは、必ず私も連れて行かれました。そして、行くたびに「美容師になるためにはどうすればいいの?」と、母が美容師に聞くのです。私じゃなくって!

私も美容師を見るのが大好きでしたし、美容室は、母と一緒にいられる唯一の時間でしたので、そのお店でいろんなことをさせてもらいました。

そして、中学になった時、すぐに美容師になろうと思って母に聞いたのですが、その時、母は同じ質問を通っていた美容師にしました。

そしたら、美容師さんは、「美容師という職業は人との関わりが大切な仕事だから、色んな人と出会った方がいいよ。中学校までは地域が決まっているけど、高校はいろんな地域からいろんな人と出会えるから、高校を出てからの方がいいよ」とアドバイスをくれました。

私は、その言葉を聞いた時から、美容師になるのを決めました。

 

【美容師になってみて】

美容師になって1ヶ月もしないうちに、母親が脳卒中で倒れてしまいました。

当時は寮生活をしていたのですが、倒れてからは、毎日寮と病院のどちらかに泊まりながら、右半身不随になってしまった母の髪をいつもキレイにしていました。

それから7年後に、母は亡くなってしまいました。

私も母も、2人で楽しみにしていた美容師にやっとなれたのに、7年の間、入退院を繰り返して、母の髪を満足に触ることができなくて、今振り返ると、「母に対してできなかった分、お客様に喜んでもらおう」と思って、ずっと仕事を続けてきた気がします。

私にとって、母と過ごしたあの7年間はすごく凝縮していた時間だったので、母にできなかった分、お客様に喜んでもらえることで、なぜか母も喜んでくれているだろうという気持ちがどこかにあるのです。

 

【仕事はなぜ続いているのですか?】

母のことは原点にあるのですが、お客様が「今日、来てよかった」と思っている顔を見ると、私が元気をもらえます。だから、毎日、その顔が見たいと思って仕事を続けています。

確か美容師になって7年目ぐらいの時ですが、母が亡くなってから、毎日が同じことの繰り返しに感じてしまい、張り合いがなくなっていた時期がありました。

とても悩んでいたのですが、それを仲の良いお客様に話をしたら、「この仕事は続いているじゃない!続けることも才能よ!」と言われて、その時に何かを感じて、この仕事は続けてみようと思いました。

実は、その方は今でもずっと来て頂いていて、80歳になるんです。だから、いつもその方が来られると、「あの時の言葉で、私は美容師を続けることができました。本当に感謝しています」と言っています。

 

【思い出】

一番の思い出は、高校生の頃から来られているお客様との話なのですが、その方が結婚し、子供が生まれ、その子が成人し、私が成人式の支度をさせてもらった時に、その人の人生に、何があってもずっと寄り添ってきたことのすごさに、とても嬉しかったことがありました。

その時、その子といろんな話をしているうちに、母親には言えない悩みを打ち明けてくれたりして、すごく楽しい時間があったのです。その時、とても嬉しかったのですが、このように、お客様とは本当に家族みたいなお付き合いを続けているので、それがこの仕事を続けてきて本当に良かったなと思える体験になっています。

 

【アメリカンで仕事をしていて】

今までは、紆余曲折、いろいろありましたけれど、1回だけ「やめさせて下さい」と言ったことがあります。その時、オーナーは、「あなたを辞めさせるわけにいかない。あなたの人生そこで辞めるの?」と言われて、引き止めてくれました。

その時、父親が亡くなるちょっと前だったのですが、父のことがあって、急に休まなければいけなくなるかもしれないので、みんなに迷惑がかかると思ってしまったのです。

それで、みんなに迷惑をかけるくらいなら、一度辞めて、また、落ち着いたら働かせてくださいと言ったのですが、そんな言葉をかけてもらって、すごく大泣きしました。

私は、その言葉に救われたので、みんなに感謝の気持ちを伝えようと思って、新年会の時にみんなに「このお店に骨を埋めます」と言ったら、今の社長にすぐ「拾います」と言われて、笑ってしまいました。

でも、その時、「このお店が、私が生きるところ」だと思い、ずっとこのお店でやっていけるんだという実感を持ちました。

今まで、プレッシャーを感じた時には、緊張して固くなるのですが、楽しくやろうと思ったら生き生きしてくるんですよね。

私がワクワクしながら仕事をしていると、周りから「楽しそうですね」と言われるのですが、今は、「働けること」自体が、自然に感謝の気持ちになれるのです。

   

 

だから、お客様からも、「いいですよね〜、山岸さんは、ここで一生働けるんですよね」と言われても、「そうなんです!」って言えるのです。

60才を過ぎて、皆先々のことを考えている中で、こんなに楽しく仕事が出来るということが、「ありがたいな」って心から思っています。 

 

【プライベート】

観たいこと、やりたいこと、食べたいことは、すぐ行動に移してしまう性格です。

お陰で、視野が広がり、お客様との話が楽しくなります🎶

旅行することも趣味のひとつです。

行動するだけではなく、古布で、こものづくりもして、家で過ごすのも大好きです。