3つの想いを引き継いだ私たちが目指すこと(3代目社長東谷の想い)
アメリカン美容院が創業した当時、創始者たちはファッションショーのヘアメイクに指名で呼ばれるほど有名だったので、まず、その日の観客から見た美しさ、映像に残る美しさ、その時だけの美しさについて相当こだわって技術を磨いていました。
それが、サロンを開業して一般のお客様が増えてくるにつれて、「切り取られた瞬間的な美しさ」から、日々の動きの中での美しさを追求するようになりました。
だから、私たちも3人の創始者たちから「動きの中の美しさ」とよく言われていました。
– 日々、体で実感し続けてきた日々
3代目になる私は、その創始者たちのあり方を生まれた頃から見続けてきたので、自分が美容師になってからも当然のようにそのあり方が引き継がれたように思います。
私がまだ現場に立っていた頃、お客様はよく雑誌を持ってこられたのですが、そのお客様が「雑誌を通して本当にやりたいと思ったスタイル」をとことん忠実に作りたいと思っていました。なんとなく、では、納得できなかったのです。
「お客様はなぜ、この写真を選んだんだろう、この写真のどこが好きなんだろう」と、とことん聞いていくのですが、お客様に詳しく聞いていくと、ある時からすごく不思議な感覚に包まれる時がきます。
その人が、心の奥に無意識にしまわれていた「美容室に求めている想い」がわかる時が来るのです。
だから、そこを知り、共有して、忠実に造るのです。
– お客様一人一人の想いをくみとる
お客様が、その雑誌をわざわざ切り抜いて、ポケットに入れて「これ芸能人なんだけど」って恥ずかしそうに言って出される、そこまでのプロセスがあるということは、そのお客様の心のどこかに「その髪型じゃなきゃいけない理由」があります。
私は、その想いを受け取り、その想いを実現するのです。
だから、お客様にはとことん聞きました。お店に来られてすぐ、そして、スタイルが仕上がった後も本当に想いが言えたか、想いは実現できたか、とにかくしつこく聞いていました。
なぜなら、言われた形を再現し、言われた通りにすることはできます。しかし、その形にお客様の顔が当てはまったときに、必ず微妙なズレが出てくるのです。
そのため、仕上がってからその先、お客様自身の感覚で「深い想いが本当に叶ったかどうか」を確かめ、言葉にならないけど「これ」というお客様の「雰囲気で表してくれる何か」をつかむまで、とことん確認し、お客様と一緒にスタイルを通して心でつながっていったのです。
だから、「最後にこうなりましたけど、どうですか?」と聞いた時の「ああ、いいです。」という表面的な軽さが、私には分かってしまうのです。「ああ、本心ではいいと思っていないな」という雰囲気が。
– 私たちが日々確認していること
私たちアメリカンのスタッフには、「気になることはとことん追求する」というあり方が、スタッフの個性や感性に合わせて受け継がれています。
だから、スタッフにも「お客様一人一人の、顔が変わった瞬間を集めていく仕事をしよう」といつも言っています。「今日も5名いただきました!」みたいな仕事です。
顔が変わるというのは、心の奥にある、その人だけの「深い想い」を知り、再現できたときの顔の変化です。
その顔の変化に立ち会ったとき、テレビでいうと、ブラウン管のテレビ画面だった粗い画像から、その人のオーラまで見えちゃう4Kみたいにクリアになるような、「その人が本来持っている美しさが全面に出てきた感じ」になり、一緒にいる私たちも驚くのです。
欲しかったもの、やりたかったもの、なんとなくしか見えていなかったものが、これ!という感じになるのです。
でも、これは決して美容師だけではできません。お客様と一緒に話し合い、確認しあい、一緒に試していきながら再現していくものなのです。
だから、私たちは会話や言葉にできないコミュニケーションをとても大切にしています。
– お客様と一緒に目指しているもの
私たちは普段から、お客様だけではなく、スタッフ同士でも「会話やなんでも話ができる雰囲気」を大切にしています。
当然、スタッフそれぞれに得意分野があるので、話が苦手な人だっています。そういうスタッフでも、無理やり話をしようではなく、それぞれの得意分野が活きるよう、お互いが得意なことをやってお互いが助け合う、そんな雰囲気、空間を造るために、今、アメリカンはいろんな新しいことにチャレンジしています。
それこそ、自分が現場で働いている時には、「美容師とはこういうものだ!」「このようにしてください!」という想いが強い時期がありましたが、一歩引いて見てみると、スタッフ一人一人にもお客様と同じようにその人の「働く美しさ」があります。
だから、お客様と同じようにスタッフも、その人が持つ「働く美しさ」を最大限引き出せるようにできたらなと思っています。
私たちは、今、お客様もスタッフも、みんなで「イメージしていたものの、さらに先を超えた笑顔を集めたい」と思い、日々初心を忘れず進化していきたいなと願って、これからも仕事をしていきます。
なぜなら、それが一番楽しいし、幸せだからです。